活動レポート
沼津で「手書き地図」作成の動きをキャッチ!
2014年04月03日
全国の手書き地図情報が続々と集まってくる中、静岡は沼津の情報発信基地「Lot.n(ロットン)」で手書き地図を作成しているという情報をキャッチ。まだ作成途中だというところ、図々しくお邪魔してきました!
▼町を訪れる旅行者を虜にする、大人気の「Lot.n」
静岡県の東部エリアに位置する沼津市。南に果てしなく広がる駿河湾は2,500mの深さがあり、北には標高3,776mの富士山がある。このおよそ6,000mという“日本一の標高差”に在る豊かな自然と、そこに暮らす人々のライフスタイルを発信・共有する拠点となっているのが「Lot.n(ロットン)」だ。沼津の物産はもちろん、地域で活動する人々を特集したフライヤーは見応えがあり、その場で楽しめるベーグルとベアードビールも大人気。ウワサを聞きつけて買い物に来る旅行者に限らず、スタッフとのコミュニケーションを目的にお店を訪れる地元の人も多い。
カラフルなアウトドア古着をはじめ、センスの良いプロダクトが店内に溢れ、特に目を引くカヤックは、すぐ近くを流れる一級河川「狩野川」のアクティビティとして人気を集めている。単なる情報発信基地ではなく、「まちなかアウトドア」をコンセプトにした地域体験の場作りと、「知られざる地元の良いモノ」を紹介するスタッフの取材力を通し、地元の人と旅行者とのいわばハブのような役割を果たしている。
▼町の思い出を、手書き地図で共有しようというアプローチ
現状、たくさんの観光マップや商店街の案内図はあるという。ところが、「まちなかでの気軽な行動に繋がるような地図がない」ということで、店内で情報収集をスタート。沼津の広域図をボードにして、訪れた地元のお客さまの思い出を付箋紙にして貼ってもらっている。
Lot.nの小松浩二さんは、「駅から港までのおすすめルートだとか、観光の穴場やデートのスポットだったりだとか。町に対する思いを、みんなで一緒にカタチにしたいなと。これをやることによって、町にあるもの、誇りにできるものを再確認できています」と、手応えを感じている。
一枚にさまざまな情報が入っているような万能地図ではなく、目的別になっているようなテーマ地図を目指し、Lot.nを訪れた旅行者が求める楽しみ方によって、こちらが差し出す地図が変わってくる、といったことをイメージしていると言う。
現在、手書き地図を作っている途中なわけだが、言ってみれば、お客さまから情報をもらうことで、お店と地域とのコミュニケーションが促されている状態。結果的に、繰り返しお店に足を運んでくれるリピーターが増えているといい、「思い出の可視化」という試みは、思わぬ効果をもたらしている。
沼津アルプスや沼津港深海水族館といった見どころが多く、食べ物が美味しい沼津。手書き地図が完成したら、ベアードビールを片手に沼津をぶらぶらしようと思う。
取材・文・写真 大内 征(手書き地図推進委員会 研究員)