活動レポート
江戸時代のリゾート地!?大山詣の歴史を巡る 伊勢原市大山ふもとMAP「ベレー坊子チーム」 レポート
2017年09月23日
初めましてはぎと申します。
3年前に世界中一周をしながら、見知らぬ町を歩き回る「町ぶらトラベル」をしていました。
日本でも町歩きができる!しかも世界一周の時のように、あてもなくさまよい歩くのではなく、地域に詳しい人(いうなれば最高の案内人さん)と一緒に歩ける!そこから地図も作れる!なんとも素晴らしい取り組み!ということで、今回のワークショップへ参加させていただきました。
今回の手書き地図ワークショップの舞台は、伊勢原市大山地区。
江戸時代、山岳信仰の対象であった大山は、江戸である東京エリアからも近かった為「大山詣」として登山参拝する人々で賑わっていたそうです。
1日目《ワークショップ》
まずは、研究員大内さんから手書き地図についての説明がありました。
作成する地図は、きっちり正確なものでなく、うわさレベルのものでもいい。せっかく地元の人が集まるのだから、地元の人しか知らないような内容のおもしろい地図を作りましょう!とお話がありました。
まったくゼロから地図を作るなんて、なんだかわくわくしますね。
今回は大山エリアを2つに分けてワークを行いました。その中で、私がご一緒した『ベレー坊子』チームの手書き地図完成までの道のりをレポートしていきます!
◎グループワークの様子
食べ物や宿坊の話を中心に情報を出し合いました。
休憩時間もそっちのけで、帰りにラーメンでも食べに行こうか!という話になるほどワイワイ楽しいグループワークでした。
★こんな話が出ましたよ★
・宿坊が47件もありその数は日本一!!
・宿坊には「先導師」という神職を行う宿の主人がいる!
・「大山菜」という幻の野菜があり、地元の人も生の大山菜を食べれるのは豆腐祭りの仙人鍋が振る舞われる時だけ!
・大山ではなぜかとうふが有名で、昔、参拝客が宿坊にお金の代わりに大豆を渡していたかららしい。
・大山盛りかき氷と大山盛りカレーがある!
ワークの最後に、明日のフィールドワークの大まかな周り方を決めます。
私達は「大山盛りかき氷」のお店清水屋さんからスタートし、「大山盛りカレー」のお店参集殿をゴールとした、大山もりもりコースを周ることにしました。
2日目 《フィールドワーク》
◎清水屋さんの「大山盛りかき氷」
で、でかい! 大山盛りかき氷!
いつも長蛇の列ができることで有名な清水屋さん。ラッキーなことにこの日は小雨で朝早かったので、すぐに入店できました。 甘いイチゴミルクと口の中でふわっと溶ける氷がなんとも絶妙なバランス!おいしゅうございました。
◎苔みどりに囲まれた超カッコイイ「獅子岩」
関東大震災の山津波で大山から流れ降りて来た獅子岩。
ゴツゴツ岩と獅子を囲う苔たちになんとも言えない力強さを感じます。巨石好きの私にはたまらない大岩でした。
◎カラフルでついつい見ちゃう「まねき」
各宿坊の門前には、布製のカラフルな「まねき」が掲げられています。
宿坊はこのまねきを掲げることで、参拝団体である「講」をまねき入れること(歓迎)を意味し、それぞれの講もこれを目印として宿泊をしていたそうです。私たち手書き地図委員会でも(手)マークのまねきを作りたいね。という話になりました!
◎色あせ感に歴史を感じる!「板まねき」
まねきを板に彫った木製のものもあり、「板まねき」といいます。
色あせた板まねきの文字をながめていると、遠い昔の参拝者の想いを感じることができます。
◎知ってる名前を見つけてみよう!「たまがき」
大山の参道を歩いていると、江戸時代にタイムスリップしたかのような気分になります。そんな雰囲気を作り出しているのが、参拝記念として奉納された「たまがき」という石垣たちです。銀座松坂屋の玉垣を見つけ大興奮!
知っている名前のたまがきを探しながら歩くのも、大山町歩きの楽しみですね。
◎大山といえば!日本一の数を誇る「宿坊」
今回フィールドワークをご一緒した目黒さんの経営する宿坊を見せていただきました。宿坊の入り口には、参拝の際に身を清め「足をすすぐ」水場があります。
ここ大山には湧水ポイントがたくさんあり、丹沢からやってくるわき水はとても冷たく、さらっと飲めるおいしいお水でした。
◎まるでジブリの世界!「苔」スポット
別名「雨降山」と呼ばれる大山は、至る所に苔が生い茂っています。慌ただしい都会の生活では感じられない、神秘的な雰囲気を感じることができます。ついつい写真を撮りたくなる「苔」スポットをたくさん見つけました。
◎カレーも大山!参集殿洗心閣さんの「きのこカレー」
当初の予定では、私達の地図作製エリア外にあった大山の頂上、阿夫利神社が運営するレストラン参集殿洗心閣。
しかし、1日目にグループワークをした際に、参集殿の山盛りカレーはすごい!そして、今日のメンバーの中に、そのレストランの店長さんがいる!となったら行きたくなりますよね。
ということで、少し地図の作成エリアを延ばして(笑)ケーブルカーに乗って行っちゃいました。
どーん!!!!
そびえ立つカレーの山!このごはんの鋭さにはキリマンジャロもびっくりです!
2つ並べると連山になり、より楽しめます。 大の大人がおおはしゃぎで写真を撮っていました。
さて、このきのこカレーですが、見た目だけではなく、味もすごい!有名な料理研究家である中山桜甫さんが地元の人達と開発したレシピなんだそうです。きのことひき肉たっぷりの濃厚なカレーに、青のりが良いスパイスになっています。とってもおいしくぺろりといただきました。
《地図作成ワーク&発表》
町歩きを終え、地図作りの開始です。大まかな位置関係を確認しながら、ガシガシ書き進めます。
あんなこともこんなことも。と書きたいことが盛りだくさんで、時間が足りない~!なんてなりつつなんとか完成!
イラストたくさんの楽しい地図になりました!
できあがった地図を見ながら、メンバー全員がそれぞれに感じたポイントを発表しました。
同じ場所を見ていても、感じることは人によって全然違ったりします。自分が気が付かなかった視点からの大山を、メンバーから共有してもらい、今日周ったエリアをさらに奥深いものにすることができました。
あなたにとっての「ふつう」は私にとっての「おもしろ」である。
長い間大山に住む地元の人にとっては「ふつう」の景色も、外から来た私達にとっては、「おもしろ」な景色として感じることができるんだなぁと体感しました。
私達が、「すごい!おもしろい!」と、メモや写真をとる様子を見て、地元の方々も「普段気が付かなかった大山の魅力を再発見した。」と、とても嬉しそうにお話していただき、なんだかほっこりしました。
生まれも育ちも神奈川県の私ですが、大山のような場所が伊勢原市にあるということを、お恥ずかしながら知りませんでした。
現在伊勢原市は、横浜、箱根、鎌倉に次ぐ「神奈川県第四の観光地」となるべく、地域のPR活動を進めているそうです。
私達の作る手書き地図もその一助になれば良いなと思います!
次回も10月に開催予定ですので、ご興味のある伊勢原市民の皆さんはぜひご参加ください!